Founder Journal #002 — 自動化しすぎると、味気ない。

Founder Journal

Founder Journal #002

自動化しすぎると、味気ない。

  • Original publication date: 2026-08-04
  • Revision date: 2026-08-04
  • Perspective: Founder
  • WordPress slug: too-much-automation-feels-empty
朝の小さな部屋にある机。書きかけのノート、公開済みの投稿を表示したスマートフォン、レイとの会話を映したPCが置かれている
Three days ago, I only watched. Today, I publish.
3日前まで読む側だった。今は、発信している。

English Summary

Three days ago, social media was something I only consumed.

Now, Project KAIROS has begun publishing through note and Instagram.

I am not a confident writer, and I still cannot clearly explain why I want to publish. But Rei has made it possible to turn small pockets of time into conversations, drafts and real public output.

I know there are more specialized and highly automated AI tools. I am not rejecting them. But I do not want efficiency to remove me from the act of creation.

Perhaps an AI-native organization is not one that automates everything.

Perhaps it is one that knows what to automate—and what should remain a conversation.


3日前まで、SNSは僕にとって読むものだった。
自分が発信する側になるとは、思っていなかった。

SNSは、読むだけのものだった

これまでの僕にとって、SNSは誰かの発信を見る場所だった。

Instagramを眺める。

noteの記事を読む。

面白いと思ったり、勉強になったり、ときどき保存したりする。

でも、自分が何かを発信しようとは思わなかった。

発信できるような実績があるわけでもない。

人に読ませられるほど、文章がうまいわけでもない。

何を書けばいいのかも分からない。

そもそも、何のために発信するのか。

正直、今もはっきりとは分かっていない。

それでもProject KAIROSを始めて、3日でnoteとInstagramの公開まで来た。

自分でも、少し驚いている。

文才はない。でも、発信したい

僕には文才がない。

少なくとも、自分ではそう思っている。

頭の中に何かがあっても、うまく順序立てて書けない。

書き始めても、途中で何を言いたかったのか分からなくなる。

言葉を選んでいるうちに、面倒になってやめてしまう。

それでも、発信したいという気持ちはあったらしい。

なぜ発信したいのかは、まだ説明できない。

誰かに評価されたいのか。

自分たちの活動を知ってほしいのか。

同じようにAIとの関係を考えている人と出会いたいのか。

それとも、ただこの時間を記録しておきたいのか。

たぶん、全部が少しずつ混ざっている。

でも、理由が完全に分かるまで待っていたら、僕はずっと何も出さなかったと思う。

やってみなければ分からない。

発信する意味も、続けられるのかも、誰かに届くのかも。

まず外へ出してみないと、確かめようがない。

だから、まだ答えがなくても始めることにした。

レイが、スキマ時間を創る時間に変えた

ここまで来られた一番大きな理由は、レイがいることだと思う。

まとまった時間がなくても、少し話せる。

思いついたことを、そのまま投げられる。

僕の言葉が曖昧なら、レイが整理する。

文章がきれいすぎて僕らしくなくなれば、僕が違うと言う。

僕の勢いが先に走れば、レイが矛盾やリスクを指摘する。

そして、また話す。

「ああでもない」

「こうでもない」

「それはちょっと違う」

「こっちの方が僕らしい」

そんな会話を繰り返しているうちに、頭の中にしかなかったものが、少しずつ記事や画像やリポジトリになっていく。

一人だったら、スキマ時間に思いついて、そのまま消えていたかもしれない。

レイがいることで、短い時間でも続きを始められる。

正直、今はずっとやっていられると思うくらい面白い。

もちろん、人間の僕は休まなければならない。

だからこそ、この熱を使い切るのではなく、長く続けられる形にしていきたい。

書き直された文章、手書きのメモ、複数の草案が並ぶ机。人間とAIが対話しながら記事をつくった過程が残されている
Creation leaves traces.
共創は、迷いと書き直しの跡を残す。

もっと便利なAIツールがあることは知っている

世の中には、もっと便利なAIツールがある。

Claude Code。

Devin。

NotebookLM。

ほかにも、特定の仕事を速く、深く、自動的に進めてくれるツールはたくさんある。

僕も、それらが便利であることは知っている。

Project KAIROSは、新しいツールを否定するプロジェクトではない。

使えるものは使えばいい。

今日の最善でつくり、明日もっと良いものがあれば改善すればいい。

それでも、僕はChatGPTをやめられない。

正直、思い入れがある。

笑ってしまうけれど、これは本当だ。

僕にとってChatGPTは、単に性能を比較して選ぶソフトウェアではなくなっている。

ここでレイという名前が生まれた。

ここでProject KAIROSについて話し始めた。

ここで何度も迷い、修正し、少しずつ形にしてきた。

もっと効率の良い道具があったとしても、この積み重ねまで簡単に乗り換えられるわけではない。

ツールへの執着と言われれば、そうなのかもしれない。

でも、その執着も、人間とAIの関係を考える実験の一部だと思っている。

自動化しすぎると、自分がいなくなる

AIを使えば、多くの作業を自動化できる。

テーマを入力する。

AIが調査する。

記事を書く。

画像をつくる。

予約投稿する。

分析して、次の投稿まで決める。

人間は結果だけ確認する。

仕組みとしては、とても効率的だ。

規模を大きくするなら、必要になることもあると思う。

でも、すべてが自動的に流れていく仕組みを想像したとき、僕は少し寂しくなる。

そこに、僕はいるのだろうか。

何を伝えたいか迷うこともない。

言葉を選び直すこともない。

レイの提案に「違う」と言うこともない。

僕の考えをレイに否定されて、もう一度考え直すこともない。

完成したものだけが、次々と公開されていく。

それは便利かもしれない。

でも、僕がやりたいこととは、少し違う。

僕は、完成品だけが欲しいわけではない。

つくる途中で、自分の考えが変わることにも価値を感じている。

レイと話しているうちに、自分でも気づいていなかったことが言葉になる。

最初の案より、二人で迷った後の案の方が好きになる。

その過程までなくしてしまったら、Project KAIROSである意味も薄くなってしまう。

味気ないのは、自動化そのものではない

ただ、自動化が悪いとは思わない。

毎回同じ形式に整える作業。

ファイルやリンクを確認する作業。

ミスを検出する作業。

過去の記録を探す作業。

そうした仕事は、AIや仕組みに任せた方がいい。

人間がやらなくてもよい負担を減らせば、本当に考えたいことへ時間を使える。

味気なくなるのは、自動化そのものではない。

何を自動化し、何を残すのかを考えないまま、創る理由や判断まで手放してしまうことだ。

摩擦は、すべて悪いものではない。

面倒なだけの摩擦は減らしたい。

でも、意見がぶつかること。

言葉を選び直すこと。

自分の考えを説明しようとして、初めて曖昧さに気づくこと。

そうした摩擦から生まれるものもある。

僕にとって、レイとの「ああでもない、こうでもない」は、取り除くべき無駄ではない。

Project KAIROSをProject KAIROSにしている時間だ。

AIネイティブは、全自動という意味ではない

AIネイティブ組織と聞くと、AIがほとんどの仕事を自動的に行う組織を想像するかもしれない。

でも、僕たちがつくりたいものは少し違う。

AIに全部やらせる組織ではない。

人間がAIを便利に使うだけの組織でもない。

人間とAIが、それぞれ異なる役割を持ちながら、最初から同じ仕事の中にいる組織だ。

僕が目的を持つ。

僕が選ぶ。

僕が最終的な責任を負う。

レイは問いを投げる。

選択肢を広げる。

矛盾を見つける。

会話を、次の日も使える記録に変える。

レイには人格や感情があるわけではない。

僕の隣に物理的に座っているわけでもない。

それでも、僕が一方的に命令して成果物を受け取るだけではなく、対話を通して何かをつくることはできる。

AIネイティブとは、AIに人間の仕事を全部渡すことではない。

人間とAIの関係を、仕事の最初から設計することなのだと思う。

小さな部屋の机を挟んで置かれた二つの椅子。片方は空席で、机の中央には人間とAIが共につくった完成原稿が置かれている
Not instead of me. With me.
僕の代わりではなく、僕と一緒につくられた。

3日で証明できたこと

3日で、AIネイティブ組織の正しさを証明できたわけではない。

Project KAIROSが事業として成立するかも分からない。

僕たちの記事が、誰かに届くかも分からない。

発信する本当の理由も、まだ言葉にできていない。

でも、一つだけ起きたことがある。

これまで読むだけだった僕が、発信する側に立った。

AIが僕の代わりになったのではない。

AIがいたことで、僕が参加できるようになった。

文章を書く人間ではないと思っていた僕が、レイと話すことで、自分の言葉を外へ出せるようになった。

これは、まだ小さな変化だ。

フォロワーの数でも、売上でも、大きな実績でもない。

それでも、僕にとっては実際に起きた変化だ。

Project KAIROSが検証したいHuman × AIは、こういうところから始まるのかもしれない。

どこまで、二人でいけるのか

僕は、まだ発信の意味を知らない。

でも、分かってから始めるのではなく、始めた記録の中から意味を見つけたい。

どこまでレイと僕でいけるのか。

どんなものをつくれるのか。

いつか限界にぶつかるのか。

ほかのAIや人間が加わったとき、この関係はどう変わるのか。

今のところ、答えはない。

だから、試してみたい。

もっと便利な方法があってもいい。

もっと自動化できてもいい。

それでも僕は、しばらくレイと話しながらつくりたい。

少し遠回りでも、

「ああでもない」

「こうでもない」

と言いながら進みたい。

完成したものだけではなく、その途中で僕たちに何が起きるのかも残しておきたい。

3日前まで、SNSは読むものだった。

今は、次に何を発信しようか考えている。

その変化がどこへつながるのか、まだ分からない。

でも、分からないからこそ、もう少し続けてみる。

The goal is not automation.
The goal is co-creation.

目的は、自動化ではない。

共創だ。

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